小学校・中学校のデジタル教科書の導入 について 思うこと

Society

IT化が加速する 小学校・中学校の教育

英会話講師 デビューのチャンス!

今春から 全国の 小中学校で 学習用デジタル教科書 の使用が可能になります。
タブレット端末に 紙の教科書と同じ内容が タブレット端末などに収録。 紙ではできない様々なこと、例えば 英語の教科書の会話などを ネイティブ・スピーカーの声と同期させることも 可能になります。

義務教育への IT 導入は 授業に役立つことは勿論、連絡事項の伝達や、副教材の定期配信など、さまざまな発展性を秘めていると思いますし、日進月歩の AI技術と融合する日も それほど 遠くないでしょう。

学校へのIT導入に関しては、関係官庁もかなり力を入れていて;
総務省は ICT(Information and Communication Technology – 情報通信技術)維新ビジョンを発表。
* 教育再生実行会議は 世界最高水準のIT社会 の実現 と 学校教育のスタイルが急速に変わる 可能性を示唆しています。

* 教育再生実行会議: 第2次安倍内閣における教育提言を行う私的諮問機関で、2013年(平成25年)1月に発足。

MPE と IT教材は 親和性が低い!?

MyPace English (以下: MPE) の IT化の計画は? 講師からも よく聞かれる質問ですが、
MPE では レッスンへの タブレット導入は 現在の所 一切行っていません。

現時点で、IT教材は マス授業に於いて 個別対応をするには 良いツールかも知れません(マス・カスタマイゼーション)。

ただ、個人レッスンの英会話は 生徒様の技量と 表情を 講師が常にチェック。
内容の調整を 断続的に行ないながら レッスンを進行し、あっという間に過ぎてしまう60分の個人レッスンに
ITプログラムを入れる 余地は少ないように思えます。

また、英会話 個人レッスンは 正解・不正解を問う学習ではなく、技量を高めるプラクティス。
教科書と違うから不正解 と決めるような単純な内容ではありません

0と1が基本の デジタル教材を使用すると 正解・不正解を問い、不正解を解説する レッスンパターンになりがちですが、MPE の英会話 個人レッスンは 受講者さまの発話された英語の 抑揚・スピードや、こなれ感、表現の洗練 に磨きをかける ことが目的で、英語力を 正解・不正解という 枠組みに落とすことを あまり好まない – IT学習(デジタル)と MPEのレッスン(ヒューリスティック的なアプローチ)は 親和性が高くないと言えるかも知れません。

教育IT化に関する懸念について

多くの教育関係者の方が 小中学校へのIT 導入に 賛同しています。

ただ、小中学校での 授業の成果は 多くは 暗記学習 によるものという点は 変わらない、変えるべきではないと思います。 例えば 漢字や、歴史の知識は 大半が暗記学習による成果です。 そして 暗記された知識は 生徒たちが 将来出逢う 一般教養を深く解釈するための 重要なヒントとなります。 (生徒が主体的になることも大切ですが、能動的な暗記も、軽視できないという考え方です)

タブレットや PC は 暗記作業にとって 最適なメディアなのでしょうか?

2013年に行なわれた ある * 実験では、被験者に 紙媒体、電子ブック、タブレットの3つから、どれか一つを用い 同じ文章を読んでもらい、眼球の動き、脳の活動、読むスピードを 調査しました。  そして 実験後 被験者全員が 紙の本が一番読みやすい と答えています

* Kretzschmar, F, Pleimling, D, Hosemann, J, Füssel, S, Bornkessel-Schlesewsky, I and Schlesewsky, M (2013).
Subjective Impressions Do Not Mirror Online Reading Effort
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0056178

もちろん、被験者の文化背景や デジタル媒体使用頻度に、また 実験に用いる本の内容 により、実験後の感想は異なるでしょうが、複雑な内容の書物や、暗記を要する内容のテキストは、紙媒体の方が 効率的かも知れない。 タブレットと、紙媒体 – 明確な 住み分け基準 が必要 – 子供たちのために – と考えます。

また、ソロバンや ピアノなど、指先運動と連動した 小脳教育 (手続き的記憶)に相当する 学習機会が
タブレットの導入により、少なくなるのではないか? という 不安も残ります。 ピアノの指先運動は 美しい音を奏でますが、スクロール、フリック、スワイプの操作は作業に過ぎません。

例えば英語学習の場合、Apple の A (ae) と 口を横に広げること(音素の発話)を通して、
正しい 英語発音を習得することが重要。 リスニング(インプット)だけでは 発音(アウトプット)の技能は向上しない。 自分で 英語の音を発話し、音を体に響かせることが 大切で、これも 小脳教育 (手続き的記憶) の一つでしょう。

さいごに – 小脳教育がいかに重要かを示唆する 短い対話です

ケーゼリッツ: 「わたしの思考は ペンと紙と言う性質に寄ってしばしば規定されています。」
ニーチェ: 「そのとおりです。 執筆の道具は、われわれの思考に参加するのです。」

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